第38回ホリスティックフォーラム(大阪)

「心理療法の新たなる潮流」

<医療人類学から生まれた新しい心理療法>

中川中之島クリニック院長 中川 晶氏

 現在、心理療法の数は400を越えていると言われています。なぜこんなに多くの派が存在するのか。それほど「こころ」はさまざまな見方があるということかもしれません。しかし心理療法にも流行と衰退があり、現在の主流は認知療法と言うところでしょう。このような流れの中でも、今なお、さまざまな視点に基づいた多くの心理療法が生まれています。
 そこで今回は、医療人類学の説明モデルをヒントに、わが国の文化に則した新たなる心理療法を構築し、その中で初めて「治療的身体化」という概念を提唱した中川晶氏をお招きし、彼が実際の臨床で行なっているこの心理療法について、大いに語って頂く予定です。
 彼の豊富な知識と豊かな臨床経験、そして何よりもさまざまな視点から「こころjを見ることができるたぐいまれな柔軟性から生まれたこの心理療法は、サイコロジストや医療関係者にはもちろんのこと、一般の人々の日常生活においても、大いに役に立つものとなることでしょう。

中川 晶(なががわあきら) 1952年京都市生まれ。1975年大阪府立大学卒業、1985年奈良県立医科大学医学部卒業。大阪赤十字病院内科研修、近畿大学東洋医学研修所を経て、現在、大阪大学医学部精神医学教室医師(心身医学)、関西医科大学医学部非常勤講師(医療行動科学)、中川中之島クリニック院長。著書に「こころの癒し方」(講談社)。共著に「心理療法」(朱鷺書房)がある。