HOLISTIC KANSAI

第90回 ホリスティック フォーラム大阪
関西 第10回セルフケア講座
2007年8月26日(日)

糖尿病と糖質制限食
講師:江部康二氏(財)高雄病院理事長

 高雄病院では2007年現在、600人以上の糖尿病患者に「糖質制限食」を実施し著明な効果をあげてきた。1999年に江部洋一郎院長が導入した当初は半信半疑であったが、2001年に私の担当患者に 糖質制限食を行い即日に血糖値が改善するのを確認し、画期的な食事療法と認識した。
 その後2年間かけて生理学的検証を徹底的に行い、糖質制限食理論の正しいことを確信した。糖尿病や代謝症候群は<糖質を制限し脂肪やタンパク質は摂取可>という糖質制限食で確実に改善する。
 これはカロリー制限優先の日本糖尿病学会の糖尿病食(高糖質低脂肪食)とは根底から異なる食事療法である。戦後長期に渡り糖尿病・肥満の原因として脂肪が目の敵にされてきた。しかし米国では脂肪摂取率が減少したにもかかわらず糖尿病・肥満は倍増したため、近年低糖質食が注目されてきた。今回 糖質制限食の理論と実践例を報告する。

プロフィール
江部康二(えべ こうじ)

1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所などを経て、78年から高雄病院に勤務。漢方治療に取り組むとともに、絶食療法、心理療法なども導入する。1994年「アトピーネットワーク・リボーン」を設立し運営委員代表に就任。2000年同理事長就任。2001年に自らが糖尿病であることに気づいて以来、糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」により自身の糖尿病を克服。高雄病院での数多くの臨床活動を通じて、糖質制限食の画期的な治療効果を証明した。著書に『主食を抜けば糖尿病は良くなる!』(東洋経済新報社)、ドクター江部のアトピー学校1・2(東洋経済新報社)、「アトピー治療の新しい道」(風涛社)など多数。