HOLISTIC KANSAI

第89回 ホリスティック フォーラム大阪
関西 第9回セルフケア講座

東洋医学から診る生活習慣病

2007年4月22日(日)

講師 : 山本哲郎 先生
自然療法センターソフィア・メディカ 代表

 栄養素には「エネルギー源」、「身体を作る」、「身体の調子を整える」の3つの働きがある。これまでの栄養学では、糖質は「エネルギー源」と見なされており、それ以外の重要な働きは無視されてきた。
 しかし、近年の最先端の生化学的研究の結果、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコースなどの8種類の単糖が蛋白質と結合して糖蛋白質となり、細胞間の情報交換に使われていることが判明した。また、様々な糖蛋白質が種々のストレスから細胞や組織を守っていることも分かってきた。
 更に、グリコサミノグリカンなどの多糖類は身体を構成する重要な成分としても使われている。しかるに、人類の文明の進歩に伴いこれら8種類の単糖のうちグルコースとガラクトース以外の単糖を十分摂取することが困難になってきた。
 そして、この糖質不足がビタミン・ミネラルなどの微量栄養素の不足と相俟って現代病に共通する原因となっていると考えられる。こうした知見に基づく最新の糖質栄養学を紹介する。
 
講師プロフィール 山本哲郎(やまもと てつろう)
自然療法センターソフィア・メディカ 代表
1958年広島生まれ。82年広島大学医学部卒業、外科医師として診療に当たる。89年同医学部大学院で学位取得。この頃から、日本に紹介されて間もないホリスティック医学の確立と実践に取り組み始める。99年頃から欧米の自然療法的な栄養療法を診療に導入。2001年自然療法センターソフィア・メディカ設立。診療の傍らセミナーや講演会の講師としても活躍中。また、代替医療に取り組む医療機関や企業をホリスティックな立場からサポートしている。最近では、最新のグライコミクス(糖鎖学)に基づく糖質栄養学の啓蒙・普及に努めている。
NPO法人ホリスティック医学協会常任理事、IWAD環境福祉専門学校非常勤講師