第86回 ホリスティック フォーラム大阪
日常臨床における統合医療の実際

2006年8月27日(日)

講師 : 谷口一則先生
たにぐちクリニック院長


 私は長年、消化器外科医としてがん治療に携わる中で、西洋医学の限界を感じた。開業医になってから「21世紀の医療を考える会」に参加して、統合医療の重要性を痛感した。現代西洋医学をベースとした統合医療がわれわれのめざす医学の基本であり、メンタル、栄養(食料)、血行促進というベース治療のうえに、代替医療、西洋医学、中医などを積み重ねていくことが治療の道だと考えている。
 具体的な活動としては、e-クリニックという組織の中でがん患者さんたちにセミナーを開いてベース治療の重要性を話し、メンタルの充実を図るために患者会をつくってモンゴル旅行を企画、食事では玄米菜食、ゲルソン療法とサプリメントの重要性を説明、血行改善には爪もみ療法、ふくらはぎマッサージ、半身浴、岩盤浴、枇杷の葉温灸、気功、ヨガを指導するとともに、その大切さを話している。
 また、福田安保理論に感銘を受け、刺絡療法(自律神経免疫療法)を実施している。
もちろん、一般のクリニックでもあるため、一般患者さんのための生活習慣病の勉強会を主催し、未病から病気にならないように予防医学にも力を入れている。
 今回は私が臨床医として、実施している統合医療について具体的に例をあげながら紹介したいと思っている。
プロフール
谷口一則(たにぐち かずのり) 平成元年、大阪医科大学卒業。その後、大阪大学医学部第二外科、千里救命救急センター、米国UCLA肝移植留学、台湾大学緩和医療病棟研修、大阪医科大学整形外科などを経て、平成16年7月より、たにぐちクリニックを開院。一般臨床の場で統合医療を実践している。JICA、JMTDR(緊急災害医療チームの一員)、NGO・モンゴルパートナーシップ研究所の国際医療ボランティアとしてモンゴルに2回派遣などの実績がある。