第61回ホリスティックフォーラム(大阪)

平成13年2月25日(日)

米国代替補完医療の現状




講師 : 竹林直紀(関西医科大学心療内科助手)


代替補完医療という言葉が、通常の西洋医学以外の医療を示す言葉として、ここ数年日本でもよく使われるようになってきました。しかし、もともと日本独自の言葉ではなく訳語であるため、その意味が欧米での
Complementary and Alternative Medicine (CAM)が意味する内容と少し異なっています。例えば日本での漢方や心身医学は、米国ではCAMに含まれているのに対して、日本では従来の西洋医学の枠組みの中に組み込まれているのです。すなわち欧米で最近注目されるようになってきた代替補完医療は、日本ではすでに西洋医学との統合が始まっているとも言えるでしょう。実際、日本心身医学会が1991年の診療指針で示している心身医学療法の中には、東洋的療法としての鍼灸・禅・ヨガ・気功などのほか、絶食療法・音楽療法・バイオフィードバックなど、欧米では代替療法とされている各種療法が含まれているのです。


今回のホリスティックフォーラムでは、代替補完医療をいかにして従来の西洋医学と統合していくかということについて、米国での現状について紹介しながら、日本でのこれからの可能性についてお話させていただきます。


 

講師プロフィール:竹林直紀

昭和32年生まれ。昭和63年より関西医科大学にて心身医学の研修を始める。その後、九州大学心療内科・米国サンフランシスコ州立大学ホリスティック医療研究所に留学。現在、関西医科大学心療内科助手。日本心身医学会認定医・日本バイオフィードバック学会認定技能士。日本ホリスティック医学協会理事。